ついに政府による長時間残業時間の罰則付き規制の検討が開始された

 政府が、罰則付きの長時間残業の規制について、検討を開始したと読売新聞にありました。

 政府は、労働者に事実上無制限の時間外労働(残業)を課すことが可能とされる労働基準法の「36(サブロク)協定」の運用を見直し、1か月の残業時間に上限を設定する検討に入った。
 上限を超える残業は原則禁止し、現在はない罰則規定の新設を含め、具体化を図る。長時間労働が少子化や、男性の家庭参加を阻む原因となっているとして、月内にも発足する関係閣僚と有識者の「働き方改革実現会議」(議長・安倍首相)で詳細な制度設計を議論する。
(後略)

政府が残業規制を強化へ…上限設定、罰則も検討 2016年09月07日  読売新聞

 以前書いた通り、残業時間に対する法規制そのものはありましたが、ほぼ運用されていませんでした。しかし、今回、検討次第で、上限時間の罰則付き規制がより効果的な形で導入されるかもしれません。
 なお、ドイツ、フランスにおいては、法定外残業をさせた場合には罰金がありますが、ドイツは15000ユーロ以下と、日本のおよそ5倍(1ユーロ100円換算)で、過重労働で健康を害した場合には、場合によっては1年以下の自由刑(懲役や禁錮等、自由を奪う罰)等さらに重い罰が課されますし、フランスも日本と違い、人数に比例した、第4種違警罪としての罰金を払う事になります(金額は見つけられませんでした)。また、イギリスでは、調べた限りでは具体的な罰金額は分からなかったものの、犯罪を構成するという扱いにされます。
 罰則の水準がどれくらいになるのかについては、現状不明であり、ドイツやフランスのように厳しくなるのか、それとも、現行とそこまで変わらないのかはこれから検討されるでしょう。わが国では長時間労働が命にかかわる場合も少なくない為、是非、厳しめの罰則がほしいところです。また、現行にも法律があるにも関わらず、当たり前のように長時間残業、サービス残業が横行しており、十二分に運営されていない現状を考えると、法が運営される方法も併せて検討してほしいところです。尤も、これは法改正以前の、労働基準監督署、監督官の不足、経営者の法律の無知や、労働法教育の不徹底等の問題であり、その改善も待ったなしでお願いしたい所です。

参考:「諸外国の労働時間制度の概要」厚生労働省内ページ

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