2024年4月からの労働法の変更箇所について(労働条件編)

2024年4月から、各労働法について大きな変更となるものを挙げます。その1。
法文は下記のようになります。

労働基準法施行規則第五条一項

旧:一の二 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
(五、六はなし)
新:一の二 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間(労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条第一項に規定する通算契約期間をいう。)又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合には当該上限を含む。)
一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む。)
五 その契約期間内に労働者が労働契約法第十八条第一項の適用を受ける期間の定めのない労働契約の締結の申込み(以下「労働契約法第十八条第一項の無期転換申込み」という。)をすることができることとなる有期労働契約の締結の場合においては、使用者が法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、第一項に規定するもののほか、労働契約法第十八条第一項の無期転換申込みに関する事項並びに当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち第一項第一号及び第一号の三から第十一号までに掲げる事項とする。ただし、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち同項第四号の二から第十一号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。
六 その契約期間内に労働者が労働契約法第十八条第一項の無期転換申込みをすることができることとなる有期労働契約の締結の場合においては、法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める事項は、第三項に規定するもののほか、労働契約法第十八条第一項の無期転換申込みに関する事項並びに当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち第一項第一号及び第一号の三から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。

 つまり、全ての雇用において、雇い入れ時に
①就業直後の場所だけを書けばよい→直後のみでなく、支社転勤がある場合はその支社名も記す
②就業直後の業務だけを書けばよい→直後のみではなく、転換が行われる可能性のある場合はその業務も記す
③有期雇用の更新について、更新の基準のみ記す→基準のみでなく、更新の最大回数もしくは最大期間を記載する
④無期雇用権が生じる労働者(通算で連続し5年を超える契約の生じている有期雇用労働者)について、無期雇用権が生じている旨を記す。
⑤④とあわせ、無期雇用時の労働条件(賃金、勤務時間)を記す。

 事が必要になります。
 改正としては大きなものではありませんが、無茶な転勤命令の拒否や、無期雇用権を行使しやすくなる部分はあるように思えます。とはいえ、後者については、無期雇用権が生じる前に雇い止める例も少なくは無いため(最近だと青山学院の雇止めがある)、ちょっとした抑止力にしかならないでしょうが。

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