体調不良による「業務上過失罪」を防ぐ仕組みが必要かも

 高速バスの運転手が、体調を崩したといって、乗客を乗せたまま勝手に数時間寝込んだというニュースが入りました。

 中国ジェイアールバス(本社・広島市)の高速バスで20日夜、風邪で体調不良になった男性運転手(38)が予定外のサービスエリア(SA)で仮眠を取り、そのまま6時間半以上、眠り込んでいたことがわかった。
(中略)
 会社に連絡せず、車両下部にある乗務員用仮眠スペースで横になり、そのまま寝込んだという。乗降口は外から施錠され、エンジンはかかった状態で、車内の暖房はついていた。
体調崩した運転手、勝手に「熟睡」…高速バスの乗客8時間閉じ込め 読売新聞 2017/1/23

 言うまでもなく、体調不良と言えど無断で長時間仮眠をとるのは問題ですし、今回の件については契約不履行ということで相応の罰を受けても仕方はないと考えます。
 それは大前提であるとしても、この事件には「交代要員はいなかったのか」という疑問が残ります。

 そもそも、夜行高速バスは、基本的に400km以上、もしくは9時間以上運転する場合は交代制にする義務があります(参考。pdf注意)。その為、予めバスに二名の運転手が乗っている場合が多いですし、そうであればサービスエリアで簡単に交代できます。
 今回の場合は、交代の運転手はあらかじめ乗車しておらず(していたら長時間動かないバスに違和感を感じている筈)、車が停車可能な場所で交代するというカタチで運転手交代を行っていると考えられます。しかし、そうであっても、長時間待たせずに交代させることも可能でしょう。素人の推測ですが、彼が無断で寝込んだのとは別に、運転手が体調不良で安全に運転できないとした時の仕組みが不十分であるように思えます。
 高速バスや貸し切りバス、トラックの運転手等は、仕事柄、業務上過失で人を殺しかねないものを扱っています。これらは、ちょっとした不注意や判断力低下で凶器になるものであり、体調不良で判断力が落ちているときに扱うべきものではないでしょう。とはいったものの、仕事中に急な体調不良に襲われる事は防げるものではないので、そういう仕組みをしっかり作るべきでしょう。昨今の事故もあり、高速バス等にはそのための法律が改訂されてはいますが、今回の事件を見ると、まだまだ不十分であるように思えます。

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