「ブラック企業大賞」雑感

 毎年の恒例となりつつある、ブラック企業大賞のノミネートが今年も発表されました。

 ブラック企業大賞企画委員会は12月1日、“今年1番のブラック企業”を決める「ブラック企業大賞2016」のノミネート企業を発表した。新入社員の過労死が発生した電通や、パワハラ問題が明らかになった日本郵便などがノミネートした。
 結果は12月23日に発表される。ノミネート10社と、主な選定理由は以下。

エイジス(長時間労働)
電通(過労死)
ドン・キホーテ(長時間労働)
プリントパック(従業員の死亡事故、長時間労働、組合との敵対)
関西電力(過労死)
佐川急便(ハラスメント)
サトレストランシステムズ(長時間労働、残業代未払い)
宗教法人 仁和寺(長時間労働、賃金未払い)
ディスグランデ介護(賃金未払い)
日本郵便(ハラスメント)

「ブラック企業大賞」ノミネート10社発表 電通など  ITmedia 2016/12/1

 今年は、例年に比べるとイデオロギー色が少なく(過去は東電とか、ヤジ問題の都議会とかがあった。尤も、東電も詳細を調べれば「ブラック企業」といっても良いのかもしれませんが…)、世間の指示を集めやすそうな感じがします。
 厚生労働省がブラック企業名をなかなか公表しない現状において、企業利権に(おそらく)関係ないであろう第三者がブラック企業名を積極的に公表するという取り組みは、意義のあるものでしょう。ホワイト企業大賞のように、選ばれたい企業はないですし、委員に経営者や社労士もいないから、利権が働きにくい部分もあるかもしれません(全くないとは言い難いですが)。

 尤も、日本式のイベントセレモニーの枠に縛られているのか、個人的には以下の点を改善してもよいとは感じます。

①企業を十に限定せず、問題点の指摘できる企業は出来るだけあげるべき
②マイケル・ムーアの「恐るべき真実」のようなエンタメ性やユーモアがあればもっと盛り上がるのでは

 ①については、日本のブラック企業はごく少数の悪徳企業の問題ではなく、例えば就職人気企業の6割が過労死基準を超える36協定を結んでいるというニュースもある通り、社会全体に蔓延している問題です。それ故、まあそれらすべて公表するのは難しいかもしれませんが、ニュースで取り上げられる機会も多く、ニュースとなったブラック企業は全て載せても良いかなと考えます。少数に絞ってしまうと「ごく一部の悪徳企業の問題」と勘違いされてしまう恐れがあるように思えます
 ②については、誰も来ないノミネート企業席を設けたり、トロフィーと六法全書を送ったり(拒否されてるみたいですが)と、工夫は見られますが、まだまだ地味かなと考えます。高みを望みすぎかもしれませんが、折角なら本社にトロフィーを運ぶドキュメントもどきを作ったり、実際のノミネート企業従業員のみ対象の投票を行って企業ごとに集計を公開しても良いのかなと思います。

 とはいったものの、こういう取り組みが、ブラック企業が存在しているうちは続けてほしいものです。さて、今年はどこが対象に輝くのか。

 ブラック企業大賞2016公式ページ

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