保育士や介護職員を叙勲で評価する事について~そもそも勲章とは?~

 一部で話題になっていた国会の答弁より。

共産党の田村智子参議院議員は子どもが保育所に入れなかった不満を匿名で書き込んだブログに関連して、「保育所に申し込んだが入れないことが大問題になっており、署名活動などへと広がっている」と指摘しました。
これに対し安倍総理大臣は、「待機児童ゼロを必ず実現させていく決意だ。保育所に申し込んで利用できなかった方々には、さまざまな事情があり、よく分析して地域とも連携し、利用状況の実態把握等に努めていく。待機児童の数は地域によって差があり、特に待機児童が集中している地域と連携し、対応策を検討していく」と述べました。また安倍総理大臣は、「保育士不足の要因として待遇の問題があると認識しており、この春に取りまとめる『ニッポン一億総活躍プラン』で具体的で実効性のある待遇の改善策を示し、不足している人材も確保していきたい」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は、保育士などの評価の在り方について、「菅官房長官の下で、時代の変化に対応した栄典の授与に関する有識者懇談会を開催しており、叙勲において、保育士や介護職員を積極的に評価していくことについても検討していきたい」と述べました。

NHK News 首相「待機児童ゼロを必ず実現させていく」 2016年3月14日

 安倍総理は『保育士不足の要因として待遇の問題があると認識しており』と、待遇の問題を改善する必要があると期待のある答えを述べています。一方で、『叙勲において、保育士や介護職員を積極的に評価していく』とも述べており、ツイッター等を見たら「勲章でお茶を濁すのか」等叩く意見が相当数見受けられました。

 そもそも、勲章について基本的な解説をしておくと、「栄典」の一つとして天皇陛下の名で授与するものであり(※天皇が決定するわけではない)、金品等が与えられる事はありません。なお、明治時代には勲章年金が制定されていましたが、昭和20年で全面的に廃止となっております。
 勲章は名の残る偉業を成し遂げた人のみに授与されると思ってる人も多いでしょうが(自分も調べるまでそう思ってた・汗)、「危険業務従事者叙勲」というものがあり(詳細・PDF注意)、警官や消防官や自衛官等の危険度の高い業務に携わり、活躍した55歳以上の元公務員に授与されます。なお、他の勲章も日本では70歳以上となっています。
 つまり、勲章は「今まで長年頑張った、現役ではない人への労い」の為にあるものです。

 もしかしたら年齢制度の廃止や現役就労者へ適用範囲を拡大するのかもしれませんが、いずれにしろ、「勲章を作る金があったら、その金を現場に回してくれ」と思う現場の方がほとんどでしょう。安部総理は待遇改善を口にしており、待遇改善の期待は当然ありますが、一方で、勲章制度については「やりがい」を悪用して対価をごまかすブラック企業に似たものを感じるというのは言い過ぎでしょうか。

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