「保育園落ちた日本死ね」問題はお金をかけるべき所にかけないブラック企業と同じ構造

話題になっているこちら。

何なんだよ日本。
一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。
どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。
子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?
(中略)
エンブレムとかどうでもいいから保育園作れよ。
有名なデザイナーに払う金あるなら保育園作れよ。
どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。
ふざけんな日本。
保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。
保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ。
保育園落ちた日本死ね!

言葉遣いは乱暴であるものの、この人の怒りはごもっともとしか言いようがありません。少子化解消と「一億総活躍社会」を目指すなら、待機児童は絶対に発生させてはいけない筈です。
そもそも、保育園も保育士の予算も十分とはいえません。その上、保育士の給料は他業種の平均賃金の2/3程度で、結果的に保育士の資格を持っていても別の職業につく人が多いとのこと。故、単純に考えれば、予算を十分に割り振れば解決します。
もっとも、予算を割り振っても、それが無駄に使われていないかという事も必要です。不要な業者が中間に入り、現場に十分な予算が行き届かない例は、日本の公共事業では昔からよくありましたが、それをも防がないといけません。予算を十分割り振り、かつ無駄を省いて保育園や保育士に必要な金銭を渡す。月並みな結論ですが、これをやるしか待機児童問題は解決しないでしょう。
なお、ベビーシッター制度の積極的な導入を提案した方もいますが、日本においては現状では資格が必要なく、事故が多発する傾向にあるみたいですし、予算面でも保育園と同じように、費用を高くしないと人件費が低くなりすぎるという予算の問題も抱えてるみたいです。

そして、これはブラック企業の問題にも繋がります。
日本では多大な利益を上げているような大企業のブラック企業も多いですが、一般的には、利益が少なく、かつ労働組合の力が弱い産業にブラック企業が目立ちます。
例えば、IT業界では多重請負が当たり前になっています。また、IT系の一番上流であっても、システムの事に詳しくない大企業の下にいるというケースが非常に多いです(大手の金融系が大抵システム系の子会社をもっているように)。結果、多重請負でマージを引かれて現場レベルで十分な予算が行き渡らず、下請け業務の多い企業ほどブラック企業となってしまいます。
(IT業界の多重請負問題については、改めてしっかりと書きたいと思います)

待機児童問題も、ブラック企業問題も、必要な予算を割り当てる一方で、無駄な予算を削り、必要な場所に宛がうという発想で大きく改善するのは間違いないでしょう。まあ、それは頭で分かっていても簡単な物ではないのですが…。

参考:
paiza開発日誌 IT業界の『多重下請け構造』は社会悪になりつつある
朝日新聞 保育士の給与はなぜ低いのか 待機児童問題から考える

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