残業代未払い、組合活動を理由に出社停止処分というあからさまな違法行為を行った、「大手ジャパンビバレッジ」に対して、ブラック企業ユニオン組合員が順法闘争を行ったという情報より。
東京駅をご利用の皆さんにお知らせしたいのですが、駅構内の自販機で現在「売切」が続々と発生中です。これは自販機大手ジャパンビバレッジで働くブラック企業ユニオンの組合員が、残業代未払いや組合員の懲戒処分に対し、残業ゼロ・休憩1時間の「順法闘争」で闘っているためです。ご理解ください。 pic.twitter.com/1FVm7Cm9lh
— ブラック企業ユニオン坂倉昇平@労働相談 (@magazine_posse) 2018年4月18日
言うまでもなく、「大手ジャパンビバレッジ」が行った行動は違法行為ですし、処罰されるべき代物です。それは前提条件として、この運動がうまくいくのかについて考察を行います。
順法闘争は、元々ストライキ権のない国鉄等の公務員が、ストライキ権に代わり、「些細な理由で電車の運行などを止める」「定時内で働く」等を行う争議の事を指しています。今回の争議も、労働基準法範囲内の休憩をとり、残業をしないという方法を取っています。
この争議方法における、懸念点として、
●残業拒否による懲戒処分が正当化された例がある
●上尾事件のような事が起こり得ないとは限らない
があります。
一つ目は、「日立製作所武蔵工場事件」で、『36協定の締結、届出があり、かつ労働者の時間外労働を定めた就業規則が合理的なものである』場合の残業拒否で、悪質な場合は懲戒解雇が有効となったものです(参考)。今回は権利として認められたストライキではなく、順法闘争という事なので、この例が適用される可能性もゼロではありません。
二つ目は、1973年に起こった上尾事件(参考)みたいな事への懸念です。ツイッターや署名ページの反応を見る限りでは、この争議には好意的な声が目立ちますし、上尾事件と比べると利用者の損害は限定的ではあるように思えます。但し、この争議が小規模な上尾事件のような事にならないとは言い切れず、万に一つ起こってしまった場合、上尾事件後の労働組合への責任論と組合忌避のような事で、組合にもマイナスになってしまうでしょう。
ブラック企業ユニオンは実績もある為、今回も懸念を乗り越えてうまくやるとは信じていますが、これを模倣して安易に順法闘争を行うのは危険だと個人的には思います。安全にやるなら、労働委員会に任せる、訴訟を起こす、合法的にストライキを行う方が良いでしょう。
補足:ジャパンビバレッジは組合員に対する不当な懲戒処分をやめてください!#東京駅売り切れアクション実施中 署名ページ
署名は圧力をかけるのに有効なので、どんどん行いましょう。
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