弱い立場であってもハラスメントを回避するには

 前回の、パワハラ解決記事にも関連するものを。 

 「今から思えばセクハラがまかり通っていた」。大阪市内の会社に1962年に入社した元会社員の女性(72)は、60~70年代の職場を振り返る。男性社員の卓上には女性の水着姿のカレンダーが置かれ、男性におしりを触られた女性社員の「キャー」という悲鳴が上がることもあった。だが、どの女性も表立って文句は言えなかった。
企業のセクハラ研修などを行う「職場のハラスメント研究所」(東京)代表の金子雅臣さんは、「当時の女性労働者は立場が弱く、男性に文句を言ったり会社に訴えたりすれば、解雇や退職を強要される場合があり、泣き寝入りする人も多かった」と話す。
(中略)
 だが、セクハラが根絶されたわけではない。全国の労働局に寄せられる均等法関連の相談のうち、セクハラに関するものは、毎年1万件前後ある。大阪大学教授の牟田むた和恵さん(ジェンダー論)は「非正規労働者など弱い立場の人が増え、そうした地位の差を背景にしたセクハラが続いているのではないか」とみる。
【連載】女性と仕事 (5)セクハラ相談、なお1万件 読売新聞 2016/4/14

 セクシャスハラスメントに限らず、あらゆるハラスメントはほとんど弱い立場の人が受けます(ごくまれに例外はあるにはありますが)。そして、記事にもあるように、「ハラスメントを受けるのを拒否すると、不利な扱いをする」という脅しがセットとなる事も多いです。また、自主退職に追い込む為にハラスメントを行う例も少なからずあります。
 大きな企業であれば相談窓口があったりしますが、その場合は社内のパワハラ加害者に相談したという事が知れてしまう可能性もあり、躊躇う人も少なくないでしょう。
 部署移動などでハラスメントを行う立場の人間から離れる事が出来れば、それが非常に良いのですが(加害者が行為をやめる可能性は低く、たとえやめても被害者の恐怖は消えないので)、そう簡単には行かないという場合も少なくないでしょう。
 こういう場合、どのように対処すれば良いかについては、証拠を集め、(できれば社外の)労働組合か弁護士等に相談することでしょう。あらゆるハラスメントで有利に働くのは、証拠を集める事なので、これは必ずやっておきましょう(証拠の集め方は過去記事も参照)。社会的に見れば、あらゆるハラスメントは、触法行為になり得る反社会的なものです。社会的な判断が出来、対処法も分かる立場の者に任せれば、決して被害者が一方的に不利になることはありません。
 昨今、そういう組織や人はどんどん増えているので、泣き寝入りしないで積極的に活用していきましょう。

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