過労死ラインを超えている状況なら、対応に一刻の猶予も許されない

 ここで何度も取り上げた部活についてですが、名古屋市立中学校の信任教諭の残業時間が、厚生労働省の定めた過労死ラインを超えていたという報道がありました。

 今年4月に新たに着任した名古屋市立中学校の新任教諭の「残業時間」が、月平均で100時間に迫ることが愛知県教職員労働組合協議会(愛教労)の調査でわかった。国が定める「過労死ライン」(月平均80時間)を超えていた。主な要因には、部活動の対応などがあるという。
(中略)
 厚生労働省は、1カ月間に約100時間、または2~6カ月間に1カ月あたり平均で約80時間を超える時間外労働(残業)をした場合に、脳出血や脳梗塞などの過労死の危険性が高まるとしている。

新人教員「過労死ライン」超え 部活指導が負担 名古屋 2016/8/23 朝日新聞

 改めて説明するまでもないですが、過労死ラインを超えるということは、この状態のまま働き続けた場合、過労死する可能性が高まり、危険であるという事です。言ってしまえば、これを病気に当てはめた場合は緊急入院が必要な状態であり、自動車運転の速度にあてはめた場合は、直ぐにスピードを落とさないと死亡事故を起こすような状態であると言ってしまって良いと思います。つまり、一刻も早い対応が求められている状態です。
 ただ、病気や運転のように個人の判断で簡単に出来るものならともかく(病気は勤労、金銭的な問題もあるから必ずしもそうじゃないが)、過労死の問題は他人の判断が必要となり、対応が必要にも関わらず、危険な状態のまま放置されてしまう場合も少なくありません。
 しかし、前途したとおり、一刻の猶予も許されない問題なので、これに対する強力な法律(現行も法はあるが、罰則規定もないため守られていない)が絶対に必要な筈です。多方面からの働きかけもあり、過労死等防止対策推進法案は制定されましたが、これも長時間労働を強いた責任者に罰を与えることができず、決して強力な法律ではありません。よって、前記のような問題が起きて、かつ、今回のニュースのように簡単に止められる場合であっても(部活動の時間を短くすればよいだけ)、責任者の判断次第では改善されずほおっておかれます(労働組合によって阻止は可能ですが、教員の場合はストライキや労働協約が結べないので、必ずしも阻止させられるわけではない)。
 一刻も早く、最低限過労死ラインを超えた労働をすぐに禁止させられる法律は作られるべきでしょう。我々も、出来る限り様々な方法で政府に働きかけていきましょう。

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