続府中市の自衛隊研修はナンセンス

 昨日の「府中市の自衛隊研修はナンセンス」という記事について、読売新聞とは別の記事が出てきました。それによると、自衛隊研修自体は事実のようですが、「ゆとり世代を鍛え直す」という意図ではなく、災害救助が目的とのことです。

職員課の担当者は「新聞記事に書かれているように、『ゆとり世代を鍛え直す』という意図はなく、記事の内容に困惑している」と説明。取材を受けた際にも「ゆとり」という言葉は使わなかったといい、記事は寝耳に水だったようだ。現在、問い合わせが殺到しており、対応に追われているという。

担当者によれば、府中市では職員研修の充実に取り組んでおり、今回発表された入庁3年目職員の航空自衛隊での研修もその一環だという。ゆとり世代の職員に市が特段困っている、という訳ではないとしている。
また、研修を外部機関、ましてや航空自衛隊で行うことについて理由を聞くと、
「研修は『災害救助』を目的としており、大人数を泊まりで受け入られる場所として、府中市にある航空自衛隊が適切だと判断しました」
と回答した。

「ゆとり世代職員を自衛隊で鍛え直す」?――「ブラックすぎる」と大炎上中の府中市に真相を聞いてみた 2016年05月27日 13:17 BLOGOS

 記事内の回答が短い為、どのような研修になるかは分かりませんが、これが事実であれば、昨日書いた「業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制」によるパワーハラスメントと認定される可能性は下がるでしょう。尤も、研修が本当に『災害救助』を目的としたものとして行われることが前提となります。また、自衛隊で行われる必要性はどれくらいかの検討も必要です。
 なお、コチラの調査不足もあり存じませんでしたが、既に行政の自衛隊研修は各地で行われていました。
阿南市新人職員が陸自に体験入隊 隊員から規律学ぶ 徳島新聞 2016/5/26
加東市の新人職員、自衛隊で研修 規律意識向上へ 神戸新聞 2016/5/25

 さて、府中市がこれらのように行われるかは不明ですが、仮に下記の阿南市のように行われた場合を考えてみます。

19~35歳の事務職員や保育士らが迷彩服に着替え、4班に分かれて隊員から整列や敬礼、行進の仕方などを教わった。隊員の掛け声に合わせて素早く行動できるようになるまで、繰り返し取り組んだ。災害時に役立つロープの結び方も学んだ。
阿南市新人職員が陸自に体験入隊 隊員から規律学ぶ 徳島新聞 2016/5/26

 ロープの結び方については、『災害救助』等に役に立つでしょうが、敬礼、行進を学ぶ理由が理解できかねます。事務職員や保育士がそんな事を行う必然性はありませんし、しかもそれを繰り返し取り組んだという事に、意味があるように思えません。
 府中市がもし阿南市と同じような研修を行うのであれば、BLOGOSの記事が真実であってもナンセンスと評するしかありません。本当に必要なのは、実用的な災害救助の知識です。その知識を得ることに特化した研修を期待したいところです。
 

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