労働面から2021年衆院選公約を見る~日本共産党~

衆議院選前ということで、各党の政策のうち、労働面に関連したものを見ていきますの、日本共産党編。
2021 総選挙政策


ケア労働の待遇改善を行います
―――国が基準を定めている、介護・福祉・保育職員の賃金を引き上げ、配置基準の見直し、雇用の正規化、長時間労働の是正など、ケア労働の待遇を改善します。

介護、福祉士等の報酬や待遇改善について。具体的な記載は無。

休業補償を拡充します
事業主は、事業主都合によって労働者を休業させる場合、平均賃金の60%以上を補償しなければなりません(労働基準法26条)。企業がこの休業補償責任を果たすよう厳格に指導します。また、休業手当の算出方法は原則として、「直近3ヵ月間の平均賃金(3ヵ月間の賃金総額を休日も含めた3ヵ月の総日数で割った金額)×6割以上×休業日数(所定の休日をのぞく)」となっています。そのため、実際の休業手当は賃金の4割程度しか受け取れず、「とても生活できない」という声が上がっています。この不合理をただし、賃金の100%の休業補償が促進されるよう、法改正も含めて休業手当に関する規定を改善します。
コロナ感染拡大で休業した中小企業の労働者が休業手当を受けられない場合、国が賃金の8割を直接支給する休業支援金が2020年7月から始まりました。ところが、大企業(大手飲食チェーン店)が対象外とされ、シフト減の場合には支援金が支給されないという問題が当初から指摘され、大きな社会問題となっていました。その後、労働組合と日本共産党が力を合わせることによって、大企業の非正規労働者とシフト制労働者にも適用させるという改善を勝ちとってきました。コロナ感染拡大が始まった昨年4月にさかのぼって適用させるなどさらに改善させ、この制度から取り残される労働者が一人もいないようにします。日本共産党など野党4党は、共同で、休業支援金拡充法案を国会に提出しています。これの成立をめざします。

休業手当を満額支払われるように、規定を変えるとあり。また、コロナの休業手当を遡って支給されるよう、休業支援金拡充法案を国会に提出するとあり。

シフト制労働者を保護します
シフト制で働く労働者は、職場で正社員と同等の重要な役割を果たしているにもかかわらず、数々の理不尽に苦しんでいます。①シフトが減らされて休んでいるのに、休業手当が出ない、②直前までシフトが確定せず、先の予定が入れられない、③確定していたシフトが急に取り消しになっても、補償がない、④シフトが減らされ生活が苦しくなって退職しても、「自己都合退職」にさせられる、などです。
 使用者が勤務日数や労働時間を都合よく決めることができ、「ゼロ」にもできるような事態を改善するために、「EUにおける透明で予測可能な労働条件に関する指令」(2019年)を参考にして、新たな法的規制をおこないます。シフト変更の際には合理的な事前告知期間を設定するとともに、突然のシフト変更と、それを拒否したことによる不利益取り扱いを禁止します。「勤務日数ゼロ」や「労働時間ゼロ」といった横暴をなくすために、最低限の労働日数と賃金支払いを保障します。

シフト制で働く労働者を守るため、事前告知期間を設ける、一方的なシフト変更に対しての拒否による不利益取扱いを防ぐ法を作るとあり。


失業補償を拡充します
野村総合研究所は、パート・アルバイトのうち、「シフト勤務が5割以上減少」かつ「休業手当を受け取れていない人」を「実質的失業者」と定義して調査しました。その結果、2021年2月時点で女性の実質的失業者は103万人。20年12月時点の90万人から13万人増えています。2021年5月時点でも、全国の「実質的失業者」は、女性で92.2万人、男性で39.6万人にのぼりました。新型コロナ感染拡大の影響を受けて、実質的失業状態にあるパート・アルバイトが依然として100万人以上いると推察されます。
これら労働者の多くが「自己都合退職」を強要されています。「自己都合退職」の場合、7日間の待機期間に加えて、2カ月間の給付制限期間が設定されます。これでは、無収入になった失業者の生活を守ることができません。このような退職理由による差別をなくします。そのために、待機期間と給付制限期間を廃止します。失業給付期間を、現在の90日~330日から180日~540日程度へと延長します。
雇用保険未加入の求職者を支援するために無料の職業訓練をおこなう求職者支援制度は、月の給付金が10万円と低額な上に、支給要件が厳しいものとなっています。例えば、アルバイトもしないで、職業訓練を休まず8割以上の出席が求められています。これでは生活を成り立たせながら職業訓練を受けることができません。支給要件を緩和するとともに、給付金を月20万円に引き上げます。

分析と、失業における待期期間と給付制限期間(自己都合の場合にあるもの)を廃止、給付期間を延ばすとあり。また、求職者支援制度も改善とあり。


残業時間の上限を例外なく「週15時間、月45時間、年360時間」に規制します
2018年に自公政権が強行した「働き方関連法」は、残業時間の罰則付き上限について、特別の事情がある場合には、「月100時間未満」「2~6カ月平均で月80時間」「年720時間(休日労働を含めると960時間)」とし、過労死水準の長時間労働を法的に容認しています。医師については21年5月、年1860時間(過労死ラインの約2倍)の時間外労働を容認する医療法改悪が行われました。異常な長時間労働にお墨付きを与え、過労死を促進するものです。
残業時間の上限は「週15時間」も加えて、例外なく「週15時間、月45時間、年360時間」に規制します。割増賃金について、残業の抑制という本来の役割を発揮できるように、1日2時間、週8時間を超える残業の割増率を50%にします。また、3日連続で残業させたら4日目からの割増率を50%にします。

2019年に制定された働き方改革の残業時間上限について、例外を認めなくするとあり。また、割増率も上げるとあり。

連続11時間の勤務間インターバルと、7日ごとに1日の法定休日を保障します
1日の労働が終わり、次の労働がはじまるまでの休息時間を確保する勤務間インターバル規制は、1日の労働時間規制にもつながる重要な制度です。この制度は世界45カ国で導入されており、EU(ヨーロッパ連合)は連続11時間の勤務間インターバル規制を法制化しています。日本でも労働基準法に連続11時間の勤務間インターバルを明記します。例外は、必要最小限にとどめます。


 法定休日について、労働基準法は、4週間をとおして4日の休日をあたえる4週・4休制となっているために、最大48日連続勤務を可能にしています。このために休日を与えない違法な連続出勤が表面化しにくい状態を生んでいます。連続出勤を規制し、毎週休めるようにするために、7日ごとに1日の法定休日を保障します。

インターバル制度を11時間とするとあり。また、法定休日を7日に1日作ると明記あり。

企画業務型裁量労働制の廃止をはじめ裁量労働制を抜本的に見直します
 実際に働いた時間と関係なく事前に定めた時間を働いたものとみなす「みなし労働時間制」は、世界にほとんど例をみない異常な制度です。この制度を認めるILO条約は存在しません。

 裁量労働制は、「みなし労働時間制」を採用しているために、実労働時間の把握が困難であり、長時間労働の温床になっています。厚労省は6月、裁量労働制の職場と一般職場の労働時間の実態を初めて明らかにしました。1日の平均労働時間は、一般職場が8時間25分であるのに対し、裁量労働制の職場では8時間44分となっており、裁量労働制のほうが約20分長いことが明らかになっています。また、企画業務型裁量労働制は、現行法では認められていない営業職や一般職にも事実上広がっています。野村不動産では、違法に企画業務型裁量労働制が適用されていた営業職の労働者が過労自殺しています。

 ホワイトカラーを際限のない長時間労働に追いやる企画業務型裁量労働制を廃止します。専門業務型裁量労働制については、真に専門的な業務に限定し、その要件と運用を厳格化します。事業場外みなし労働時間制についても、その要件と運用を厳格化します。

企画業務型裁量労働制を廃止とあり。また、専門業務の厳格化、限定化があり、事業場外みなしも厳格化とあり。

高度プロフェッショナル制度を廃止します
 高度プロフェッショナル制度(「残業代ゼロ」制度)は、対象となる労働者を労働時間規制の保護から全面的に適用除外にする制度です。研究開発など5業務の「高度専門職」(年収1075万円以上)の労働者について、週休2日にあたる年間104日の休日を与えれば、1日24時間働かせ、残業代や休日・深夜手当を払わなくても違法になりません。

 厚労省は6月、高度プロフェッショナル制度を導入している企業の労働時間の実態を初めて公表しました。「健康管理時間」(在社時間と社外で働いた労働時間の合計)について、集計対象の全17事業場で月200時間以上、うち6事業場で月300時間以上となっており、高度プロフェッショナル制度を適用された労働者が長時間労働となっていることが明らかになっています。8時間労働制を根底からくつがえすこの制度を廃止します。

高度プロフェッショナル制度を廃止するとあり。調査も掲載。

ただ働き残業(「サービス残業」)をなくすために、実労働時間を正確に把握・記録し、「サービス残業」が発覚したら残業代を2倍にします
長時間労働是正の土台は、実労働時間の正確な把握と記録です。事業場ごとに労働時間管理台帳を作成し、管理職を含めた全労働者の実労働時間を正確に把握・記録することを使用者に義務づけます。職場から労働時間をチェックすることによって、長時間・ただ働き残業をなくし、「追いつめられている」労働者を救済することができるように、本人はもとより、本人の同意があれば、労働組合、職場の労働者や家族・友人も、労働時間管理台帳と賃金台帳を閲覧できるようにします。労働時間管理台帳を作成・記録・保存をしない事業主に対する罰則を設けます。

サービス残業を発覚した場合に残業代を二倍にするとあり。

「名ばかり管理職」を規制します
一般的に、管理職には残業代が支給されないといわれています。しかし、厚生労働省の「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」と題する通達文書は、「『管理監督者』であっても、労働基準法により保護される労働者に変わりはなく、労働時間の規定が適用されないからといって、何時間働いても構わないということではなく、健康を害するような長時間労働をさせてはなりません」と明記しています。「管理監督者」の定義については、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい、労働基準法で定められた労働時間、休憩、休日の制限を受けません。『管理監督者』に当てはまるかどうかは、役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態によって判断します」と指摘しています。

このように「管理監督者」の範囲は、きびしく制限されています。裁判例をみても、ファミリーレストランなどの「店長」や飲食店の「マネージャー」、学習塾の「営業課長」が「管理監督者」に相当しないと判断した例があります。労働実態を示して、厚労省のこの文書を厳格に適用するとりくみを強めます。

管理監督者を厳格に適用するとあり。現行からどうするかの具体的な記載は無し。

有給休暇取得を促進します
日本はヨーロッパと比べて有給休暇の最低日数が少ない上に、その取得率も、2000年以降5割前後で推移しています。19年4月から、有給休暇の取得が年5日に達していない労働者に対して、企業の責任で5日取得させることが義務となったものの、20年の取得率は56%にとどまっており、70%という政府目標も実現できていません。

ヨーロッパでは、有給休暇は最低でも4労働週(週5日労働の場合は20日、週6日労働の場合は24日)が保障されており、しかも100%取得が常識になっています。日本共産党は、年次有給休暇を現行の最低10日から20日に増やし、一定日数の連続取得と完全消化を保障させます。傷病や家族の看護の心配によって年休取得を控えることのないように、有給の傷病・看護休暇を創設します。

有給休暇を20日にし、有給の傷病、看護休暇を創設するとあり。

テレワーク・在宅勤務にともなう長時間労働を規制し、安全衛生を確保させます
コロナ対策によってテレワーク・在宅勤務が急速に広がっています。テレワークは事業場の外で労働者が働いているため、労働時間の管理が難しく、長時間労働や「サービス残業」が起きやすくなります。テレワークを口実に「成果主義」を持ち込むことも長時間労働につながります。テレワークの場合でも、使用者には労働時間の管理や時間外労働に関する三六協定の締結、割増賃金の支払いなどが義務づけられています。テレワークにおいて「みなし労働時間制」を導入しようとする動きを許さず、厚生労働省のガイドラインで推奨されている時間外労働・休日労働・深夜労働の原則禁止、安全衛生確保に実効性を持たせます。EUで労働者が求めている「つながらない権利」(勤務時間外や休日に業務上のメッセージや電話に応じない権利)について、日本でも確立をすすめます。

在宅勤務の規制についてあり。「つながらない権利」の確立とあり。

(他にもまだまだありますが、時間都合で載せてません、申し訳ありません)

総評としては、詳細な記載が多く、且つ今より踏み込んだものが多く、やる気を感じられます

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