最低賃金の引上凍結は有害無益

日本経済新聞に、東京地方最低賃金審議会が東京都の最低賃金を事業、雇用維持の為に引き上げを凍結すると発表しましたが。

東京地方最低賃金審議会は5日、東京都の最低賃金を改正せず、現行の1013円に据え置くことを東京労働局の土田浩史局長に答申した。据え置きは2003年以来、17年ぶり。新型コロナウイルス感染拡大による景気の冷え込みを踏まえ、事業の継続性や雇用の維持を優先した。
日本経済新聞 東京都内の最低賃金、1013円で据え置き 審議会答申

しかし、賃金を低くすることと雇用継続との因果関係の存在を証明したデータは存在しません。逆の調査結果なら、例えば東洋経済の 「最低賃金アップで「生産性が向上する」仕組み デービッド・アトキンソン

この20年間、最低賃金を引き上げ続けてきたイギリスでは、政府が大学に依頼して、その結果を詳しく分析しています。最低賃金、もしくはそれに近い賃金で雇用している割合の高い企業を対象に、最低賃金の引き上げ前と後の実際の決算書を、継続的に分析しています。
最低賃金、もしくはそれに近い賃金で雇用している割合の高い企業を対象に、最低賃金の引き上げ前と後の実際の決算書を、継続的に分析しています。
その結果、最も影響を受けた企業群でも廃業率が向上することはなく、単価を引き上げることもあまりなく、雇用を減らすこともありませんでした。逆に、経営の工夫と社員のやる気向上によって、労働生産性が上がったことが確認されています。

とあります。
そもそも、例えば最低賃金を50円上げたとしても、月150時間働くとして、一人当たりたったの7500円差でしかありません。むしろ、賃金を低く保つことで消費が落ち込んで、より景気が冷え込む危険性があるように思えます。
どう考えても凍結は、労働者の生活だけではなく、企業や日本経済にとっても有害無益としか思えません。即急に撤回すべきでしょう。

なお、現在AEQUITASが、「最低賃金引き上げ凍結反対キャンペーン」で異議申し立て募集をやっているので、東京都で仕事をしている方はよろしければご協力をお願いします(ブログ主はAEQUITASの方とは無関係ですが)。

にほんブログ村 政治ブログ 法律・法学・司法へ
にほんブログ村
宜しかったらこちらもクリックお願いします。

タイトルとURLをコピーしました