広河隆一氏のセクハラ・パワハラ問題は、日本の封建主義が生んだ悲劇ではないか

DAYS JAPANの広河隆一氏のセクシャスハラスメント問題が話題になっています。

「フォトジャーナリストになりたいという夢を持ちはじめた頃でした。狭い業界の中でも広河さんは雲の上の上のすごい人で、神様のようなイメージでした。そんな人のつくるすごい雑誌の編集部で働けることがうれしく、できるだけ多くのことを学びたいと意気込んでいました」
初めて編集部を訪れた日、帰り道で駅に向かっている途中、電話が鳴った。広河氏本人からだった。
「これが僕の携帯なので、これからもよろしくね」
手の届かないような人なのに面倒見がいいんだな、と感じたという。それから1カ月ほど経ってから、女性は撮影した写真を広河氏に見てもらう機会があった。
「写真が下手だから個人的に教えてあげるよ」
そう言われて、指導の場所として指定されたのは、東京・新宿の京王プラザホテルだった。
「カメラを持ってこいと言われたので、周辺の緑があるところで撮影するためにホテルで待ち合わせるのかなと思っていました」
ロビーに到着して電話をかけると、部屋に上がってくるように言われた。

「原稿が忙しいときはホテルにカンヅメになると聞いていたので、仕事場にしている部屋で待ち合わせなのかな、と思いました。尊敬していたし、当たり前のように信頼していたので、特に大きな疑問は持ちませんでした」
ドアを開けると、部屋はきれいに片付いていた。
「一言か二言しゃべったかもしれませんが、はいじゃあベッドに座って、という感じで、あっという間にキスをされて押し倒されました」
「最初はなんとか逃れられないものかと思っていたのですが、よしよしという感じで体を撫でられたときに、自分の心と体がフリーズしたような感覚になり、固まって動けなくなってしまいました」
(中略)
広河氏はDAYS編集部で、ささいなことで激昂し、理不尽にスタッフを怒鳴ったり罵倒したりすることが何度もあったという。
「そうなったらもう、刺激をしないように息をひそめ、嵐が過ぎ去るまでやり過ごすしかないというのがわかってきた頃でした。そのパワハラと同じことがセクシュアルな行為で起きてしまったのです」
(中略)
「フォトジャーナリストを目指す人にとって、学びの場所は限られています。広河氏は人脈が広く、有名人と知り合いであることを会話の端々ににじませていました。広河氏に睨まれて見捨てられたらこの業界で生きていけない、すべてが絶たれてしまう、という危機感がありました」

「神様のような広河さんに私は服従した」。フォトジャーナリストからの性的被害、背景に支配関係 BuzzFeed News 2018/12/26 小林明子氏

改めて説明するまでもなく、記事の通りであれば広河氏の行動はセクシャスハラスメント、パワーハラスメントであり、運営会社も含め法的な責任も免れません。セクハラに関しては、男女雇用機会均等法第11条にある、「事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう 当該労働者からの相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」に抵触します。また、あまり触れられていませんが、「些細な事で怒鳴ったり罵倒したり」というのも、厚生労働省の定めるパワーハラスメントに抵触します。
尤も、ここで「我慢するのではなく、自衛のために録音なりして然るべき場所へ持っていくべきだった」という正論を言うのは簡単ですし、本来ならそうすべきではあると思います。ただし、引用元にもある通り、広河氏はフォトジャーナリズム界隈では繋がりも広い権力者であり、彼に睨まれたら生きてはいけないと女性は考えていたようです。つまり、会社内、事業所内で完結する問題ではなく、業界全体の権威主義、封建主義的構造がこの問題を表面化させ辛い状況を生んでたと推測できます

幸い、ネット等の発達などにより、声の上げやすさは前より改善されているとは思いますが、界隈の権力を盾に嫌がらせを行う構造は根強く残っています。こういう嫌がらせを防ぐ為の法や制度の整備、「立場が上の者、名のある者には服従しないといけない」というような権威主義的な教育の見直しを一刻でも早く行うべきではないでしょうか

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